グランドピアノの値段の平均はどのくらい?新品・中古の相場から総予算まで見通せる!

グランドピアノの値段の平均はどのくらい?新品・中古の相場から総予算まで見通せる!
グランドピアノの値段の平均はどのくらい?新品・中古の相場から総予算まで見通せる!
楽器・機材・グッズ

グランドピアノを自宅に置きたいと考えたとき、最初に気になるのが平均的な値段ですが、実際には新品か中古か、国産か輸入品か、本体の奥行がどのくらいあるかによって必要な予算が大きく変わるため、単純に一つの平均額だけを見ても購入判断には十分ではありません。

一般家庭向けの新品を中心に見ると百万円台前半から購入できる小型モデルがある一方、音楽大学への進学や専門的な演奏を想定したモデルでは三百万円から五百万円程度、海外の高級ブランドやコンサート向けモデルでは一千万円を大きく超えることもあります。

中古品には新品より手が届きやすい個体が多く、国産の小型から中型モデルなら百万円前後から二百万円台で探せる場合がありますが、製造年だけでなく、保管環境、消耗部品の状態、修理履歴、販売前の整備内容まで確認しなければ、本当に割安かどうかは判断できません。

ここでは二〇二六年六月時点で確認できる国内メーカーの価格や中古販売例を参考に、グランドピアノの値段の目安、価格帯ごとの違い、本体以外にかかる費用、予算に合う選び方を整理するので、広告上の本体価格だけに惑わされず、設置後まで含めた現実的な総予算を考えられます。

グランドピアノの値段の平均はどのくらい

結論からいえば、一般家庭で検討されやすい国産新品グランドピアノの中心価格は、おおむね二百万円台前半から三百万円台前半であり、代表的な家庭向けモデルを単純平均すると二百五十万円前後が一つの目安になります。

ただし、この数字は実際の購入者全員が支払った金額を集計した市場平均ではなく、国内メーカーが公表している複数モデルの税込希望小売価格や標準価格を比較した参考値であるため、販売店の条件、付属品、搬入費、値引きの有無によって支払総額は変わります。

中古品まで含めた平均額を一つにまとめると状態の良い高年式モデルと修理前提の低価格品が混在して実態が見えにくくなるため、新品、中古、専門用途、海外高級ブランドを分けて理解することが重要です。

新品は二百五十万円前後が目安

家庭向けの国産新品については、ヤマハのGB1K、C1TD、C3TD、C1X、C2X、C3X、C5Xと、カワイのGL-10、GX-1、GX-2、GX-3、GX-5という代表的な十二機種の公表価格を単純平均すると約二百四十六万円となるため、二百五十万円前後を大まかな平均として考えられます。

ただし、百四十万円台の小型モデルから三百五十万円台の中型モデルまでを同じ計算に含めているため、平均額の二百五十万円を出せばすべての家庭に十分な一台を買えるという意味ではなく、必要な音量、響き、設置面積、練習目的によって適正価格は上下します。

区分 価格の目安 主な用途
小型新品 約百四十万〜二百万円 趣味・子どもの練習
標準的な新品 約二百二十万〜三百五十万円 本格練習・長期使用
上位新品 約三百五十万〜六百万円 専門学習・演奏活動
海外高級品 一千万円以上も多い 高度な演奏・資産性

例えばヤマハ公式のCXシリーズでは、二〇二六年六月時点でC1Xが二百二十五万五千円、C2Xが二百四十二万円、C3Xが二百八十六万円とされ、一般家庭でも比較対象になりやすい価格帯が二百万円台に集まっています。

カワイ公式のグランドピアノ比較ページでも、GL-10が百四十八万五千円、GX-1が二百三十一万円、GX-2が二百五十三万円、GX-3が二百九十七万円となっているため、新品の平均を調べる人は二百万円台を基準にしながら、必要なサイズに応じて百万円単位の余裕を持つと現実的です。

中古は百万円台が中心になりやすい

中古グランドピアノは国産の小型から中型モデルで百万円前後から二百万円程度の商品が見つかりやすく、新品では二百万円を超える機種と同程度のサイズを、予算を抑えて選べる可能性があります。

二〇二六年六月に中古専門店の掲載例を見ると、国産の小型モデルや奥行百六十センチから百八十センチ程度の個体が百十万円前後から百四十万円前後で販売されている例があり、単純な購入価格だけなら新品の半額程度に収まるケースもあります。

  • 小型の旧モデルは八十万〜百五十万円程度
  • 人気の国産中型は百二十万〜二百五十万円程度
  • 高年式や上位機種は二百万円以上
  • 海外高級ブランドは中古でも数百万円以上
  • 大規模修理済みの個体は価格が高くなりやすい

一方で、中古価格には販売前の調律だけが含まれる商品と、ハンマー整形、弦交換、アクション調整、外装補修まで実施した商品が混在するため、同じ機種名で数十万円の差があっても、高い商品が割高とは限りません。

中古を選ぶ際は価格の平均を探すだけでなく、納品後の保証、整備担当者、消耗部品の交換範囲、納品前の試弾可否を確認し、安い個体に追加修理費を加えた総額と、整備済み個体の販売価格を同じ条件で比べる必要があります。

百万円台は小型モデルが主役

百万円台の新品では、奥行百五十センチ前後のコンパクトグランドや、装備を整理して価格を抑えたエントリーモデルが中心となり、グランドピアノ特有の水平アクションや連打性を自宅で体験したい人に向いています。

カワイGL-10の標準価格は二〇二六年六月時点で百四十八万五千円、ヤマハGB1Kの価格は百四十三万円であり、新品のアコースティックグランドとしては比較的入りやすい価格帯ですが、椅子やインシュレーターが別売りになる場合もあります。

小型モデルは奥行が短いため設置しやすい反面、中型以上と比べると低音弦の長さや響板面積に限りがあり、低音の厚み、音の伸び、大きなホールで求められる余裕については、サイズ差を感じることがあります。

子どもの導入期から中級程度までの練習、趣味としての演奏、限られた部屋への設置には十分な候補になりますが、将来の音楽大学受験や高度な楽曲への取り組みを見込むなら、数年後の買い替え費用まで含めて検討したほうが合理的です。

百万円台に収めたい場合は本体価格だけで上限を使い切らず、搬入、初回調律、防音対策、床の保護、湿度管理用品に使う予算として少なくとも十万円から数十万円程度の余白を設けると、購入後に必要な環境を整えやすくなります。

二百万円台は選択肢が広い

二百万円台は家庭向けグランドピアノの選択肢が最も充実しやすい価格帯であり、国産メーカーの小型上位モデルから奥行百八十センチ前後の中型モデルまで比較できるため、音質、タッチ、設置性のバランスを取りやすくなります。

ヤマハではC1Xが二百二十五万五千円、C2Xが二百四十二万円、C3Xが二百八十六万円であり、カワイではGX-1が二百三十一万円、GX-2が二百五十三万円、GX-3が二百九十七万円となるため、二百万円台後半まで広げると標準的な中型機も候補に入ります。

同じ二百万円台でも奥行が十センチから二十センチ違えば、低音の量感、ダイナミックレンジ、鍵盤から返ってくる感覚、部屋の中での音の広がりが変わるため、価格差だけではなく実際の試弾による比較が欠かせません。

一般的な住宅の一室で使う場合は、大きい機種ほど常に優れているとは限らず、部屋の容積に対して音量が強すぎると蓋を閉じたまま弾くことが増え、楽器本来の響きを活かしにくくなる可能性があります。

二百万円台を予算にできる人は、価格を上限まで使って最大サイズを買うより、演奏者との相性が良い個体を選び、残った予算を防音、調律、整調、椅子などに配分したほうが、日常の満足度を高めやすくなります。

三百万円台は本格練習に向く

三百万円台になると、奥行二百センチ前後の中型から大型モデル、標準モデルより音色や部材にこだわった上位仕様、消音機能を搭載したモデルなどが選択肢に入り、専門的な練習環境を整えやすくなります。

ヤマハC5Xは二〇二六年六月時点で三百四十一万円、カワイGX-5は三百五十二万円であり、家庭用としては大きめのサイズに位置するため、低音から高音までのつながりや余裕のある響きを重視する人が比較しやすい価格帯です。

また、二〇二六年三月発売のヤマハC2X espressivoは三百六十三万円、C3X espressivoは四百二十九万円であり、同じような外形寸法でも製造工程、音響設計、部材、仕上げへのこだわりによって標準モデルとの価格差が生じます。

音楽高校や音楽大学への進学を考える家庭では三百万円台が一つの現実的な基準になりますが、受験する専攻、指導者の考え、練習室の広さによって必要な性能は異なるため、価格だけで専門向けと判断するのは避けるべきです。

長時間の練習でタッチの反応や弱音のコントロールを重視する人は、ブランド名やカタログ上の等級だけで決めず、複数個体を同じ曲で弾き比べ、可能であれば指導者や調律師にも音と状態を確認してもらうと選択の精度が上がります。

五百万円以上は用途が専門的になる

五百万円以上の価格帯では国産メーカーの上位シリーズ、セミコンサートサイズ、特殊な外装、演奏記録機能付きモデル、海外ブランドの中古品などが候補となり、一般的な練習用というより音色への強い好みや演奏活動上の目的が価格に反映されます。

この価格帯では同じメーカーでも職人による調整や選定の幅が大きくなりやすく、単なる寸法や機能の比較だけでは違いを把握できないため、静かな環境で弱音から強音まで試し、倍音の重なりや音の減衰まで確認する必要があります。

海外高級ブランドの新品は小型モデルでも一千万円を超える例があり、スタインウェイの国内販売価格表でも二〇二六年一月時点の価格として非常に高額な水準が示されているため、国産家庭向けモデルと同じ平均値で比較するのは適切ではありません。

輸入品では為替、輸送、原材料、人件費、ブランド独自の製造工程などが価格に影響し、価格改定も起こりやすいので、検討時には本体価格の有効期限、納期、付属品、納品費、保証を販売店の正式な見積書で確認することが重要です。

五百万円以上の予算を使う場合でも、高価な一台がすべての演奏者に合うわけではないため、将来売却する可能性、保守を依頼できる技術者、部品供給、設置後の音響まで含め、長期間所有する前提で判断する必要があります。

平均額だけでは総予算が見えない

グランドピアノの平均価格を調べるときに最も注意したいのは、表示された金額が本体のみなのか、椅子、敷板、インシュレーター、納品、階段作業、クレーン作業、初回調律などを含むのかが販売店によって異なることです。

例えば本体が二百五十万円でも、特殊搬入、防音工事、床の補強、消音機能、湿度管理設備まで必要になれば、最終的な支払額が三百万円を超える可能性は十分にあります。

反対に、展示品、旧仕様、決算時の在庫、中古下取りを活用できる場合は、カタログ上の価格より負担を抑えられることがありますが、値引きだけを優先すると希望する音色やサイズを妥協する結果になりかねません。

平均額は購入計画の出発点として使い、実際には本体価格に加えて初期費用を一割程度、さらに調律や将来の修理に備える維持費を別枠で考えると、資金不足による設置環境の妥協を防ぎやすくなります。

販売店から見積もりを取る際は税込総額だけでなく、納品条件、付属品の品名、保証期間、初回調律の回数、搬入不能時の扱いまで明記してもらい、複数店を同じ条件にそろえて比較することが大切です。

公的な全国平均は公表されていない

グランドピアノだけを対象に、国内の全購入者が実際に支払った金額を集計した公的な全国平均は一般向けには示されていないため、インターネット上で見かける平均価格の多くは、メーカー希望価格や販売店の在庫を基にした独自の目安です。

平均値にはどの機種を含めるかという編集上の判断が入り、百万円台の家庭用モデルだけを集計すれば低くなり、上位シリーズや海外ブランドを含めれば数百万円から一千万円単位で高くなります。

そのため、購入者が知るべき数字は全グランドピアノの平均ではなく、自分が必要とする奥行、用途、ブランド、新品か中古かという条件に絞った価格帯です。

趣味の家庭練習なら百五十万から三百万円程度、専門的な練習なら二百五十万から五百万円程度、海外高級ブランドなら一千万円以上も視野に入るというように、目的別に幅を持たせたほうが実際の売り場で迷いにくくなります。

価格情報は改定されることがあるため、最終判断ではメーカー公式ページと販売店の見積書を確認し、検索時に見つけた過去の価格だけを前提に予算を固定しないことも重要です。

価格帯で変わるグランドピアノの特徴

グランドピアノの価格差はブランド名だけで生まれるものではなく、本体の奥行、響板や支柱の設計、ハンマーや弦などの部材、アクションの精度、製造や調整にかける時間、外装、追加機能といった複数の要素が積み重なって生じます。

高価なモデルほど必ず音が大きいわけではなく、弱音の表現、音色の変化、低音の輪郭、連打への反応など、演奏者が細かくコントロールできる範囲の広さに違いが現れやすくなります。

価格帯ごとの特徴を知れば、必要以上に高額なモデルを選ぶことも、将来の用途に足りないモデルを価格だけで選ぶことも避けやすくなります。

小型モデルは設置性を優先できる

奥行百五十センチから百七十センチ程度の小型グランドは、一般住宅の洋室にも置きやすく、アップライトピアノからグランドピアノへ移行したい家庭にとって現実的な候補です。

価格は新品で百四十万円台から二百五十万円前後が中心となり、国産メーカーの基本モデルだけでなく、中古であれば一段上のシリーズも同程度の予算で探せる場合があります。

  • 限られた部屋に置きやすい
  • 比較的低い予算から選べる
  • グランド特有の連打性を得られる
  • 中大型より低音の余裕は小さい
  • 壁との距離や椅子の空間も必要

設置面積を見る際は本体寸法だけでなく、演奏用の椅子を引く空間、調律師が作業する空間、大屋根を開閉する動線も必要であり、図面上で本体が収まるだけでは十分ではありません。

小型でも重量は二百八十キログラム前後になる機種があるため、集合住宅や木造住宅の二階に置く場合は、床の状態、搬入経路、管理規約を専門業者に確認してから契約する必要があります。

中型モデルは響きの均衡を取りやすい

奥行百七十センチから二百センチ前後の中型モデルは、低音弦の長さと設置性のバランスが良く、家庭での本格練習、個人教室、小規模なサロンなど幅広い用途に対応しやすい区分です。

新品価格はおおむね二百四十万円から三百五十万円程度が目安となり、標準シリーズの中でも選択肢が多いため、メーカーごとの音色やタッチの違いを比較しやすくなります。

奥行の目安 特徴 向いている用途
約百七十センチ 設置性と響きの両立 家庭練習
約百八十センチ 低音に厚みが出やすい 上級練習・教室
約二百センチ 音量と表現に余裕 専門練習・サロン

中型は小型より豊かな響きを得やすい一方、六畳程度の部屋では反射音が強くなり、演奏者の耳には音量が過大に感じられることもあるため、カーペット、カーテン、吸音材による調整が必要になる場合があります。

音量を抑えたいから小型を選ぶという考え方だけでは不十分であり、中型の蓋を閉じて柔らかく鳴らすほうが好みに合うこともあるため、試弾では設置予定に近い蓋の状態でも確認すると判断しやすくなります。

上位モデルは表現の幅に価格が付く

上位モデルでは、選別された木材やハンマー、響板設計、支柱構造、鍵盤やアクションの仕様、熟練者による調整工程などに違いが設けられ、細かな打鍵の変化を音色へ反映しやすいことが価格上昇の理由になります。

演奏者にとって重要なのは単純な音量ではなく、弱音が消えずに伸びるか、和音が濁らずに分離するか、強く弾いても音が硬くなりすぎないかといったコントロール領域です。

ただし、初心者が上位モデルを買ってはいけないわけではなく、長期間使う予定があり、音色に強い好みがあり、予算と設置環境に無理がなければ、早い段階から良質な反応を持つ楽器に触れる価値があります。

反対に、ブランドの格や価格だけを理由に選ぶと、鍵盤の重さや音色が演奏者の好みに合わず、練習時間が減ってしまうこともあるため、上位機種ほど複数個体を比較することが大切です。

上位モデルを検討する際は、一度の試弾で決めず、異なる日や異なる部屋でも弾き、録音した音だけでなく鍵盤から感じる反応や長時間弾いたときの疲労まで確認すると、価格に見合う価値を判断しやすくなります。

本体以外に必要な費用

グランドピアノの購入では、本体価格だけを予算として考えると、搬入経路の条件や住宅環境によって想定外の出費が生じやすいため、契約前に設置完了までの費用を一つずつ見積もる必要があります。

特に階段、クレーン、窓からの吊り上げ、床の養生、遠距離配送、防音対策、消音機能は数万円から数十万円以上の差につながり、本体の値引き額より総額への影響が大きくなる場合があります。

購入後も調律、整調、整音、湿度管理、消耗部品の修理が必要になるため、初期費用と年間維持費を分けて資金計画を立てることが重要です。

搬入費は建物の条件で変わる

グランドピアノの通常搬入費は販売店や距離によって異なり、本体価格に含まれる場合もあれば別料金の場合もあるため、商品ページに送料無料と書かれていても、自宅の条件で追加費用が発生しないとは限りません。

一階への直線的な搬入で済む住宅と、集合住宅の上階へクレーンで上げる住宅では作業人数、車両、養生、作業時間が異なるため、契約前の現地確認や写真による搬入診断が必要です。

確認項目 追加費用が生じる例 契約前の対策
玄関幅 本体を通せない 最狭部を採寸
階段 人員や機材を追加 段数と曲がりを撮影
窓・ベランダ クレーンを使用 道路幅も確認
床面 養生や補強が必要 建築担当者へ相談
配送距離 遠距離料金が加算 見積書に明記

ピアノ本体の幅と奥行だけでなく、搬入時には脚やペダルを外した状態で本体を立てて移動するため、廊下の曲がり、天井高、手すり、照明器具まで確認する必要があります。

搬入できなかった場合のキャンセル費用や再訪問費用を防ぐため、販売店へ間取り図、玄関から設置室までの写真、階段やエレベーターの寸法を送り、追加作業を含む確定見積もりを取っておくと安心です。

調律は毎年必要になる

アコースティックピアノは強い張力で張られた多数の弦と木製部品から構成され、弾く頻度が少なくても温度や湿度の変化によって音程や部品の状態が変化するため、定期的な調律が必要です。

ヤマハピアノサービスではグランドピアノの調律料金が税込二万三百五十円と案内されており、別のヤマハ直営サービスでは基本調律料金二万千四百五十円に出張料が加わる例もあるため、年間二万円台からを目安にするとよいでしょう。

  • 定期調律は年一回程度が基本
  • 使用頻度が高い場合は回数を増やす
  • 長期未調律では追加料金の可能性
  • 整調や整音は調律と別料金
  • 出張料は地域によって異なる

新品は設置後に環境へなじむ過程で音程が変化しやすいため、販売店が初年度の調律を複数回付けていることもありますが、無料回数や有効期限は店舗ごとに異なります。

調律費を節約するために何年も放置すると、一回の作業で安定しにくくなったり、湿気や摩耗による不具合の発見が遅れたりするため、年間維持費として初めから予算に組み込むことが大切です。

防音や消音機能も総額に影響する

グランドピアノは鍵盤を弱く弾いても打鍵音やペダル音が床や壁を通じて伝わることがあり、特に集合住宅や住宅密集地では、楽器本体を購入する前に演奏時間と遮音条件を確認する必要があります。

簡易的な防振インシュレーター、厚手のカーペット、吸音パネルで改善できる場合もありますが、低音や構造伝搬音まで十分に抑えるには、防音室や建築的な遮音工事が必要になることがあります。

消音機能付きモデルは、ハンマーが弦を打つ直前で止まり、センサーで演奏情報を読み取ってヘッドホンから電子音を出す仕組みであり、夜間練習の選択肢を増やせますが、打鍵やペダルの物理音まで完全に消えるわけではありません。

ヤマハC1Xの通常モデルが二百二十五万五千円であるのに対し、C1X-SH3は二百八十二万七千円であり、同時点の公表価格では消音機能付きが五十七万二千円高いため、利用時間と近隣環境に見合うかを考える必要があります。

防音室を後から追加すると設計や搬入をやり直すこともあるため、ピアノ本体、部屋の音響、遮音性能、換気、空調を一体として検討し、必要なら防音業者とピアノ販売店の双方に相談することが重要です。

予算に合う一台を選ぶ方法

グランドピアノは同じ型番でも木材や調整状態によって音色や弾き心地に個体差があり、カタログ価格が同じだから演奏感も同じとは限らないため、最終的には実物を試弾して選ぶ必要があります。

予算を有効に使うには、先に価格の上限だけを決めるのではなく、誰が何年使うのか、どのような曲を練習するのか、設置できる奥行はどのくらいか、演奏可能な時間帯はいつかを整理することが大切です。

新品と中古のどちらにも利点があるため、価格の安さだけで二者択一にせず、保証、整備状態、将来の修理、売却可能性まで同じ表に並べて判断すると後悔を減らせます。

用途から必要なサイズを決める

最初に決めるべきなのはブランドではなく用途であり、趣味として週に数回弾く人、毎日長時間練習する音大志望者、複数の生徒が使う教室では、求める耐久性、音量、反応、サイズが異なります。

趣味や子どもの初期練習なら小型モデルでもグランドピアノの構造的な利点を得られますが、上級曲で低音の厚みや広いダイナミクスを必要とする場合は、奥行百八十センチ以上も試す価値があります。

  • 趣味中心なら小型も有力
  • 長期練習なら中型を比較
  • 音大志望なら指導者へ相談
  • 教室用途なら耐久性も重視
  • 夜間演奏なら消音環境を検討

将来必要になる可能性だけを過大に見積もって大型モデルを選ぶと、部屋で音を持て余すことがある一方、現在の価格だけで最小モデルを選ぶと数年後の買い替えで搬出入費が重なる可能性があります。

五年後や十年後の使い方を想定しつつ、現時点の住環境で無理なく弾けるサイズを選び、買い替えの可能性がある場合は下取り条件や中古市場での流通量も確認しておくと資金計画を立てやすくなります。

新品と中古を同じ条件で比べる

新品は保証、部品の新しさ、外装の美しさ、好みの個体を選びやすい点が魅力であり、長期間にわたって履歴を把握しながら使いたい人に向いています。

中古は同じ予算で大きなサイズや上位シリーズを選べる可能性がありますが、製造年が新しいだけで良品とは限らず、保管環境や整備内容によって価値が大きく変わります。

比較項目 新品 中古
初期価格 高め 抑えやすい
保証 充実しやすい 販売店による
個体の履歴 明確 確認が必要
サイズの選択 予算で制限 上位機も狙える
修理リスク 当初は低め 状態で変動

比較するときは新品の本体価格と中古の販売価格だけを並べず、納品費、椅子、保証、初回調律、修理予定、消耗部品の残存寿命まで含めた五年程度の総費用で考える必要があります。

中古を試弾する際は鍵盤の重さだけでなく、同音連打、弱音の出しやすさ、ペダルの雑音、音の伸び、外装内部のさびやカビ臭も確認し、判断が難しければ販売側と利害関係のない調律師へ同行を依頼する方法があります。

見積もりは総額で比較する

販売店から見積もりを取る際は、商品名と税込価格だけではなく、納品場所、搬入階、特殊作業、付属品、保証、調律、下取り、支払手数料まで同じ条件で記載してもらうことが重要です。

一見すると本体価格が十万円安い店舗でも、搬入費や椅子が別料金で、無料調律が付かない場合は、設置後の総額が他店より高くなることがあります。

ローンを利用する場合は月々の支払額だけで判断せず、実質年率、支払回数、分割手数料、繰り上げ返済の条件を確認し、現金価格との差額を把握する必要があります。

値引き交渉では金額だけを下げてもらうより、椅子、インシュレーター、納品、初回調律、除湿用品など必要な項目を含めてもらうほうが、購入後の追加支出を抑えられる場合があります。

最終的には最安店を選ぶのではなく、納品後に継続して調律や修理を任せられるか、担当者が不利な点も説明しているか、個体選定に十分な時間を取れるかを含めて販売店を選ぶことが大切です。

平均価格を基準に無理のない総予算を決めよう

まとめ
まとめ

グランドピアノの値段は、一般家庭向けの国産新品なら二百万円台前半から三百万円台前半が中心であり、代表的な家庭向けモデルの公表価格を単純平均した約二百五十万円前後が、大まかな出発点になります。

中古の国産モデルは百万円前後から二百万円台で探せることがありますが、価格だけでなく整備履歴、保証、消耗部品、保管環境を確認し、納品後に必要な修理費まで含めて新品と比較する必要があります。

本体とは別に、搬入、椅子、床の保護、防音、消音機能、調律などの費用が発生するため、本体価格で予算を使い切らず、設置条件に応じて数十万円程度の余裕と毎年の維持費を確保しておくと安心です。

平均額は候補を絞るための参考にとどめ、用途、部屋の広さ、演奏時間、将来の進路を整理したうえで複数のサイズと個体を試弾し、総額が明記された見積書を比較することが、長く満足できる一台へ近づく最も確実な方法です。

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