ベースウォーキングという言葉を調べている人の多くは、ジャズで聴こえる、低音が一歩ずつ前へ進んでいくようなベースラインの正体や弾き方を知りたいと考えているのではないでしょうか。
一般的な音楽用語ではウォーキングベースまたはウォーキングベースラインと呼ばれますが、検索や会話ではベースウォーキングという語順が使われることもあり、いずれも四分音符を中心にコード進行をつなぐジャズ特有のベース演奏を指す場合がほとんどです。
一見すると四分音符を並べているだけの単純な奏法に見えるものの、実際にはコードの土台を示す役割、次のコードへ自然に導く役割、一定のテンポを保つ役割、共演者が演奏しやすい空間を作る役割が重なっているため、音楽理論とリズム感の両方が求められます。
ここでは呼び方の違いから各拍の役割、初心者がベースラインを組み立てる順序、メトロノームを使った練習、ありがちな失敗、エレキベースやウッドベースでの考え方まで整理するため、コード譜を前にすると音が選べない人も、順番に実践すれば自分でラインを作れるようになります。
ベースウォーキングとは何かを基本から理解する

ベースウォーキングを身につけるには、難しいスケールを大量に覚える前に、何のために音を動かす奏法なのかを理解することが重要です。
ジャズではベースがコードの最低音を示すだけでなく、連続する四分音符によって時間の流れを生み出し、ドラムやピアノ、管楽器が安心してフレーズを乗せられる土台を作ります。
最初に各音の役割を分けて考えれば、感覚だけで音を探す状態から抜け出し、シンプルでもコード感と前進感のあるラインを意図的に組み立てられます。
一般的な呼び方
ベースウォーキングという表現は意味が通じるものの、教則本や音楽学校、演奏現場ではウォーキングベース、ウォーキングベースライン、ウォークという呼び方が一般的であり、教材を探す際は複数の名称を使い分けると必要な情報を見つけやすくなります。
音楽用語としてのウォーキングベースは、歩いているような雰囲気を持ち、順次進行を交えながら四ビートのスウィング感を支えるベースラインとして説明されています。
名称の違いにこだわりすぎる必要はありませんが、健康運動としてのウォーキングや歩行レッスンと混同される検索結果もあるため、音楽について調べる場合はジャズ、ベース、四ビート、コード進行などの語を組み合わせるのが確実です。
本質は名称ではなく、コードの輪郭を低音で示しながら一拍ごとに音を進め、次の小節へ切れ目なく音楽を運ぶことであるため、まずはウォーキングベースと同じ奏法を指す言葉として理解しておけば問題ありません。
四分音符の流れ
典型的なウォーキングベースは四分の四拍子の一拍ごとに音を置き、一小節を四つの音で進むため、聴き手には左右の足を交互に出して歩いているような安定した動きとして感じられます。
ただし四分音符を機械的に同じ強さで並べるだけでは音楽的な流れが乏しくなり、発音の位置、音の長さ、アクセント、音色、ドラムのシンバルとの関係によってスウィングの印象は大きく変化します。
- 一拍目でコードを示す
- 二拍目で進行方向を作る
- 三拍目でコード感を補強する
- 四拍目で次の小節へ導く
最初はすべての音を同じ長さで正確に弾く練習から始め、テンポが安定してから音価をわずかに短くしたり、二拍目と四拍目の感触を意識したりすると、焦って前のめりになることなくジャズらしい推進力を育てられます。
速く弾くことよりも四つの音が均等な間隔で並び、次の一拍目が自然に訪れる状態を優先すると、音数が少なくても共演者に信頼されるベースラインへ近づきます。
各拍の役割
一小節に四つの音を置く場合、すべての拍を同じ発想で選ぶのではなく、一拍目は現在のコード、四拍目は次のコードというように役割を分けると、初心者でも迷いにくい設計図を作れます。
次の表は絶対的な規則ではありませんが、コード譜を見ながら初めてラインを作る際の基本形として使いやすく、音を選んだ理由も説明できるようになります。
| 拍 | 主な役割 | 選びやすい音 |
|---|---|---|
| 一拍目 | コードの提示 | ルート |
| 二拍目 | 動きの開始 | 三度・五度・順次進行 |
| 三拍目 | 響きの補強 | コードトーン |
| 四拍目 | 次への接続 | 半音上・半音下の音 |
一拍目に必ずルートを置かなければならないわけではありませんが、コード感を見失いやすい段階では一拍目をルートに固定し、残りの三音だけを工夫したほうが、演奏中の判断量を減らしながら安定したラインを作れます。
慣れてきたら三度から始める転回的なラインや前小節から解決を遅らせる表現も使えますが、基本形を崩す目的が明確でないまま変化を加えると、コード進行が聴き取りにくくなる点には注意が必要です。
ルートの役割
ルートはコード名の基準となる音であり、Cm7ならC、F7ならF、B♭maj7ならB♭がルートになるため、ウォーキングベースを始める際に最優先で指板上の位置を覚えたい音です。
ベースが一拍目で明確なルートを鳴らすと、ピアノやギターは低音を省いたボイシングを選びやすくなり、ソリストも現在地を判断しやすくなるため、単純なルート音には合奏全体を整理する大きな役割があります。
初心者はルートばかりでは単調だと感じて早い段階から複雑な音を入れがちですが、コードが二拍ごとに変わる曲や速いテンポでは、無理に音を動かさずルートを明瞭に示すほうが音楽的に機能する場面も少なくありません。
練習ではコード譜を見ながら各小節の一拍目だけをルートで弾き、声に出してコード名を読み、次に四分音符で同じルートを四回鳴らす順序にすると、視覚情報と指板の位置と耳で聴く低音を結び付けられます。
コードトーンの役割
コードトーンとはルート、三度、五度、七度などコードを構成する音であり、ウォーキングベースでは一拍目以外にこれらを配置することで、低音だけでもメジャー、マイナー、ドミナントといった響きの違いを伝えられます。
特に三度はメジャーとマイナーを分け、七度はメジャーセブンス、ドミナントセブンス、マイナーセブンスの性格を示すため、ルートと五度だけのラインから一歩進みたいときに優先して覚える価値があります。
一方で低い音域に三度や七度を詰め込みすぎると、ピアノやギターの和音とぶつかって濁って聴こえる場合があるため、コードの種類を示す目的と、次の音へ滑らかに進む目的を両立できる位置を選ぶことが大切です。
まずはメジャーセブンス、マイナーセブンス、ドミナントセブンス、マイナーセブンスフラットファイブの四種類について、ルートから見た三度、五度、七度の位置を一つのポジションで覚えると、ジャズスタンダードの多くに対応しやすくなります。
経過音の役割
経過音は現在のコードトーンから次の目標音へ移動する途中に置く音であり、スケール内の音を順番に進む方法や、半音単位で目標へ近づく方法を使うと、離れたコード同士を一本の旋律として結べます。
ウォーキングベースでは常に正しいコードトーンだけを鳴らす必要はなく、弱い拍や四拍目に置かれたコード外の音が次の一拍目できれいに解決すれば、緊張と解放が生まれてジャズらしい流れになります。
ただし経過音を入れること自体が目的になると、現在のコードが何なのか分からないラインになりやすいため、一拍目や三拍目など重要な位置ではコードトーンを示し、残りの拍で移動経路を作る考え方が安全です。
最初は二つのルートの距離を確認し、全音や半音で上がるか下がるかを決め、途中にコードトーンを一つ置いてから不足する場所を経過音で埋めると、スケールを機械的に上下するより自然な線を描けます。
アプローチノート
アプローチノートは目標となる音の半音上または半音下から近づく音であり、次の小節のルートを強調したいときに四拍目へ置くと、聴き手が次のコードの到着を予感できる強い方向感が生まれます。
例えばC7からF7へ進む場合、C7の四拍目でEまたはG♭を鳴らし、次の一拍目でFへ解決させれば、コード外の音を含んでいても半音の引力によって自然な接続として聴こえます。
半音上と半音下のどちらを選ぶかは、その前に弾いた音、指板上の位置、ライン全体の上昇または下降の方向によって決まり、毎回同じ側から近づくよりも旋律の形を見ながら選ぶほうが滑らかです。
便利な技法だからといって全小節の四拍目を半音アプローチにすると展開が予測しやすくなるため、五度からルートへ進む形、スケールでつなぐ形、同音を保つ形などと組み合わせて変化を作りましょう。
良いラインの条件
良いウォーキングベースは複雑な音を大量に使うラインではなく、コード進行が伝わり、テンポが安定し、旋律として自然に流れ、共演者の演奏を邪魔しないラインです。
自分だけで弾くと格好よく聴こえるフレーズでも、合奏で低音が動きすぎるとソリストの着地点やピアノの和音と衝突するため、演奏の目的に合わせて情報量を調整する必要があります。
- 一拍目が明確に聴こえる
- コードの種類を感じ取れる
- 音域が急に飛びすぎない
- 四分音符の間隔が安定する
- 次のコードへ方向感がある
- ドラムの時間感覚と調和する
これらをすべて同時に完成させようとすると練習の焦点がぼやけるため、録音を聴く際はテンポ、コード感、音のつながり、音色というように一回につき一つの観点を選ぶと改善点を特定しやすくなります。
判断に迷ったときは装飾音を減らしてルートとコードトーンへ戻り、それでも音楽が前へ進むかを確認すると、必要な音と弾き手の自己満足で加えた音を区別できます。
初心者でも作れるベースラインの組み立て方

ウォーキングベースを即興で弾くには、四つの音を一度に考えるのではなく、最初に目的地を決めてから途中の道筋を埋める方法が効果的です。
コードごとのルートを確認し、一拍目を固定し、三拍目にコードトーンを置き、最後に二拍目と四拍目を選ぶ順番なら、理論知識が少ない段階でも破綻しにくいラインを作れます。
ここでは一小節に一つのコードがある基本的な状況を想定し、ルートだけの状態から半音を交えたラインへ発展させる手順を整理します。
ルートで骨組みを作る
最初の段階ではコード譜に書かれたすべてのルートを確認し、各小節の一拍目に正しい音を置けるようにすることが、装飾的なフレーズを覚えるよりも優先されます。
一拍目のルートが決まればラインの到着地点が明確になり、四拍目からどの方向へ動けばよいかを逆算できるため、演奏中に指板上で迷子になる可能性を大幅に減らせます。
- コード名を声に出す
- 一拍目だけを弾く
- ルートを四回ずつ弾く
- オクターブ違いを確認する
- 次のルートを先に見る
ルートを四回弾くだけの練習では音楽的でないと感じるかもしれませんが、この段階でリズムとコード進行を身体に入れておけば、後から音を動かしてもテンポや曲の形式を見失いにくくなります。
一つのコードに複数のルート位置がある場合は、低い音を無条件に選ばず、次のコードへ近い位置や前後の音域がそろう位置を選ぶと、左手の移動を抑えながら旋律的なラインを作れます。
コードトーンで道筋を作る
ルートの位置を把握したら、二拍目または三拍目に三度や五度を加え、現在のコードを説明しながら次のルートへ近づく道筋を作ります。
以下の型は一つのコードが一小節続く場面で使いやすく、キーが変わっても音程の関係を保ったまま移調できるため、音名ではなくルートからの距離として覚えると応用が利きます。
| 基本型 | 音の並び | 特徴 |
|---|---|---|
| 安定型 | ルート・三度・五度・接続音 | コード感が明確 |
| 往復型 | ルート・五度・三度・接続音 | 音域をまとめやすい |
| 上昇型 | ルート・二度・三度・接続音 | 旋律的に進みやすい |
| 下降型 | ルート・七度・五度・接続音 | 低い方向へ流しやすい |
型をそのまま繰り返すだけでもコード進行は成立しますが、すべての小節で同じ形を使うと練習曲のように聴こえるため、上昇と下降を交互に使ったり、三度と五度の順番を入れ替えたりして線の形を変えます。
七度は次のコードへ半音または全音でつながることが多い便利な音ですが、低音域で強調すると響きが重くなる場合もあるため、テンポや編成に合わせて音域を選ぶことが必要です。
次のルートから逆算する
四拍目の音を選ぶ際は現在のコードだけを見るのではなく、次の小節の一拍目に弾くルートを先に確認し、その半音上、半音下、全音上、全音下のどこから近づくかを決めます。
例えばDm7からG7へ進むなら、次の目標はGであるため、四拍目をG♭またはA♭にすれば半音で解決でき、FまたはAから進めば全音で自然につなげられます。
この逆算の考え方を使うと、二拍目と三拍目の候補も絞られ、遠回りして大きく跳躍するラインより、指板上を階段状に動くまとまりのあるラインを作りやすくなります。
コードが二拍ごとに変わる場合は一拍目と三拍目をそれぞれのルートにし、二拍目と四拍目を次のルートへの接続音として扱えば、一小節一コードと同じ考え方を短い単位へ圧縮できます。
ウォーキングベースが身につく練習手順

知識として音の選び方を理解しても、実際のテンポでコード譜を読みながら演奏するには、目、耳、両手、リズム感を段階的に結び付ける練習が欠かせません。
速い曲を最初から通して弾くより、短いコード進行を遅いテンポで反復し、正確さを保ったままメトロノームの音を減らしていくほうが、合奏で使える時間感覚を育てられます。
練習量を増やすだけでなく、録音して問題を発見し、次の練習で一つだけ修正する循環を作ることが、自己流の癖を長期間残さないための重要なポイントです。
メトロノームを段階的に減らす
メトロノームはテンポのずれを指摘する機械としてだけでなく、自分の内部に拍の流れを作り、音が鳴らない場所でも時間を感じ続けるための練習相手として使います。
最初から二拍目と四拍目だけに設定すると拍を見失う場合があるため、四分音符すべてを鳴らす段階から始め、安定したらクリックの数を減らす順番が安全です。
| 段階 | クリック位置 | 練習目的 |
|---|---|---|
| 初級 | 一拍ごと | 音の間隔をそろえる |
| 基礎 | 二拍目と四拍目 | スウィングの軸を感じる |
| 発展 | 一小節に一回 | 内部の拍を維持する |
| 実践 | 数小節に一回 | 曲全体の時間を保つ |
クリックに自分の音を無理に合わせにいくと発音が遅れたり早まったりするため、クリックとベース音が同じ時間の流れの中で自然に重なる状態を目指し、身体の動きや呼吸も一定に保ちます。
テンポを上げる基準は一度だけ成功したかではなく、数コーラス続けても音の長さと一拍目の位置が崩れず、次のコードを余裕を持って見られるかどうかで判断しましょう。
練習曲を段階的に選ぶ
初心者向けの練習曲は有名かどうかだけで選ばず、コードが一定の周期で変わり、同じ進行が繰り返され、形式を覚えやすい曲から始めると、音選びとリズムに集中できます。
十二小節のジャズブルースは形式が把握しやすく、ルート、三度、五度、半音アプローチを試せるため、複雑なジャズスタンダードへ進む前の教材として適しています。
- 一つのコードで四分音符を保つ
- 二つのコードを往復する
- 十二小節ブルースを弾く
- ツーファイブワンを移調する
- 短いスタンダード曲へ進む
有名な曲でも一小節に二つ以上のコードが続くものや、転調が多いもの、形式が不規則なものは判断量が増えるため、最初はテンポを落とすだけでなくコード進行を短く区切って練習します。
一曲を覚える際は完成された一本のラインだけを暗記せず、ルート中心、コードトーン中心、順次進行中心という三種類を作ると、合奏中に同じフレーズを繰り返す状態から抜け出しやすくなります。
コピーと録音を組み合わせる
優れたベーシストの演奏を耳で聴いてコピーすると、譜面だけでは分かりにくい音の長さ、発音の強さ、休符の感覚、同じ音を繰り返す判断、ドラムとの位置関係を具体的に学べます。
Berklee Onlineのジャズベース課程でも、コードトーンや半音アプローチと並び、名演の採譜や分析を通じて語彙とハーモニー感覚を育てる方法が扱われています。
曲全体を最初から最後まで採譜することに負担を感じる場合は、好きな二小節やブルース一コーラスだけを選び、音名、リズム、運指、コードに対する役割を確認してから別のキーへ移調すると効果的です。
コピーした直後に自分の演奏を録音し、原曲と交互に聴くと、正しい音を弾いていてもタイム感や音価が違うことに気付きやすく、単なる音列の暗記からスタイルの理解へ進めます。
録音では小さなミスをすべて直そうとせず、今回はテンポ、次回は音の長さ、その次はコード感というように評価項目を限定すると、練習の目的が明確になって継続しやすくなります。
演奏が不自然になる原因を修正する

ウォーキングベースがぎこちなく聴こえる原因は、音楽理論の不足だけではなく、音を詰め込みすぎること、指板上の移動が大きいこと、クリックへ反応しすぎること、共演者を聴けていないことにもあります。
難しい音使いを追加する前に、ルートへ戻しても同じ問題が起きるかを確認すると、音選びの問題とリズムや奏法の問題を切り分けられます。
ここでは初心者が陥りやすい失敗を整理し、練習中に何を観察すれば改善につながるかを具体的に説明します。
音を動かしすぎない
ウォーキングという名称から毎拍違う音を弾かなければならないと思い込みやすいものの、同じルートを繰り返したり、五度へ跳んで戻ったりするシンプルな動きも、コード進行とリズムを支えるうえで十分に機能します。
四分音符のすべてにクロマチック音やテンションを入れると、どの音がコードの柱なのか分かりにくくなり、ソリストのフレーズとも衝突しやすいため、安定音と移動音の割合を考える必要があります。
- コード感が弱いときはルートを増やす
- 音域が散るときは近い音を選ぶ
- 半音が多いときはコードトーンへ戻す
- 展開が単調なときだけ変化を加える
- 速いテンポでは判断量を減らす
複雑なラインを一度弾くより、簡潔なラインを数コーラス安定して保つほうが合奏では価値が高く、余裕が生まれればドラムやソリストの変化にも反応できるようになります。
演奏を録音してベースだけを追うのではなく、全体の音楽が聴きやすいかを確認し、自分の音を減らしたときにバンドがまとまるなら、その場面では引き算が有効だったと判断できます。
ポジション移動を整理する
指板上で遠い音を次々に選ぶと、左手の移動に意識を奪われてリズムが遅れやすくなり、音程の不安定なウッドベースでは着地点を外す原因にもなるため、近い位置で完結するラインを複数用意することが大切です。
同じコードトーンは複数の弦とポジションに存在するため、音名が正しいかだけでなく、次のコードへ進みやすいか、開放弦が音色に合うか、運指が無理なく続くかを基準に位置を選びます。
| 症状 | 主な原因 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 一拍目が遅れる | 移動距離が大きい | 近いルートを選ぶ |
| 音が途切れる | 運指の準備不足 | 次の指を早く用意する |
| 音域が落ち着かない | 跳躍の連続 | 順次進行を増やす |
| 同じ形しか弾けない | 位置の固定 | 別ポジションへ移調する |
最初は四フレット程度の範囲で使える音だけを選び、ルートと三度と五度の位置を把握してから、必要な場面でポジションを移動するほうが、無計画に指板全体を使うより安定します。
運指は唯一の正解があるわけではありませんが、同じフレーズを毎回違う指で弾くと再現性が下がるため、練習段階では無理のない指使いを決め、テンポが上がっても保てるかを確認しましょう。
共演者の音を聴く
ウォーキングベースは一人で完結するソロではなく、ドラムのライドシンバルやハイハット、ピアノのコード、ソリストのフレーズと関係しながら時間とハーモニーを共有する伴奏です。
自分の音を間違えないことに集中しすぎると周囲の変化を聴けなくなり、ドラムが音量を落とした場面でも同じ強さで弾き続けたり、ソリストの空間を埋めすぎたりする原因になります。
練習用音源に合わせる際はベース音の正解だけを追わず、ドラムの二拍目と四拍目、ピアノがコードを置く位置、フレーズが盛り上がる場所を意識し、自分の音量や音域を変えて反応します。
合奏ではベースがテンポを一方的に引っ張るのではなく、ドラムと一緒に大きな拍の流れを作る意識を持つと、クリックに縛られた硬い演奏から、呼吸を保ちながら前進する演奏へ変わります。
楽器や演奏環境に合わせて応用する

ウォーキングベースの音選びはエレキベースとウッドベースで共通していますが、音の立ち上がり、減衰、運指、音程の作り方が異なるため、同じフレーズでも弾き方を調整する必要があります。
また、ギターやピアノで低音とコードを同時に演奏する場合は、ベーシストとして単音を弾く場合より情報量が増えるため、ベースラインを簡潔にして和音とのバランスを取ることが重要です。
自分の楽器や編成に合った練習方法を選べば、特定のフォームを暗記するだけでなく、セッションや伴奏で状況に応じてラインを変えられるようになります。
エレキとウッドの違い
エレキベースはフレットによって音程を取りやすく、比較的少ない力で明瞭な発音を作れるため、コードトーンの位置や複数のポジションを学びながらテンポを上げる練習に向いています。
ウッドベースはフレットがなく音程を耳で調整する必要があり、弦長や弦の張力も大きいため、速いラインを追う前に左手の形、右手の発音、余計な力を抜いた移動を身につけることが重要です。
| 比較項目 | エレキベース | ウッドベース |
|---|---|---|
| 音程 | フレットで安定しやすい | 耳と左手で調整する |
| 音の伸び | 長く保ちやすい | 自然に減衰しやすい |
| 運指 | 広い範囲を使いやすい | ポジション管理が重要 |
| 発音 | 機材の影響も大きい | 指の当て方が直接反映される |
ヤマハの楽譜通販サイトで紹介されている教本のように、エレクトリックベースとアコースティックベースの両方へ対応した教材もあるため、音選びの共通知識と楽器固有の奏法を分けて学ぶと効率的です。
どちらが本格的かで優劣を決めるのではなく、自分が参加するバンドの音量、音楽性、持ち運び、練習環境に合う楽器を選び、四分音符の質とコード進行を支える役割を磨くことが大切です。
ギターやピアノで使う
ウォーキングベースはベース専用の考え方ではなく、ギターの低音弦やピアノの左手でベースラインを弾きながら、空いた音域でコードを加える伴奏にも応用できます。
ただし単音のベースラインと和音を同時に鳴らすと音数が増え、低音域で響きが濁りやすいため、コードは三度と七度を中心に簡略化し、ベースの発音と重ならないリズムで配置すると整理しやすくなります。
- 低音はルートを明確にする
- コードは三度と七度を優先する
- 和音の音数を減らす
- ベースとコードの発音を分ける
- ペダルで低音を伸ばしすぎない
ギターでは親指で低音を弾き、ほかの指でコードを加える方法が使われますが、最初から両方を即興にせず、ベースラインを固定してコードの位置だけを変える練習から始めるとリズムが崩れにくくなります。
ピアノでは左手の音域が低すぎると和音が濁るため、ベースラインを単音で保ち、右手のコードを中央付近に配置し、実際のベーシストと共演するときは左手の低音を減らす判断も必要です。
即興の語彙を増やす
即興で長いコーラスを弾くには、その場で毎拍新しい音を発明するのではなく、二拍または一小節単位の短い形を複数覚え、コード進行や音域に合わせて変形する考え方が現実的です。
語彙を増やす際はフレーズを音名のまま暗記せず、ルートから三度へ上がる形、五度から半音で次のルートへ進む形、下降するスケールで接続する形というように機能を言葉で説明します。
一つの形をメジャー、マイナー、ドミナントへ当てはめ、十二キーへ移調し、異なる指板位置で弾く練習を行うと、知っているフレーズが特定の曲でしか使えない状態を防げます。
実際の演奏では覚えた語彙を順番に並べるのではなく、直前の旋律の方向、ソリストの音域、曲の盛り上がり、ドラムの密度を聴き、今の場面で最も自然な形を選ぶことが即興の中心になります。
基本を守ればベースウォーキングは着実に身につく
ベースウォーキングとして検索される奏法は、一般にはウォーキングベースと呼ばれ、四分音符を中心にコード進行を示しながら、歩くような連続性とスウィングの土台を作るジャズの代表的なベースラインです。
初心者は一拍目のルートを固定し、三拍目に三度や五度などのコードトーンを置き、次のルートから逆算して四拍目のアプローチノートを決めると、四つの音を感覚だけで探さずに組み立てられます。
練習では遅いテンポでルートだけを弾く段階から始め、メトロノームのクリックを徐々に減らし、短いブルースやツーファイブワンを繰り返し、録音と名演のコピーを通じて音価やタイム感まで確認することが重要です。
複雑なスケールや大量のクロマチック音を加えることより、コードが明確に伝わること、四分音符の間隔が安定すること、次の小節へ自然につながること、共演者の音を聴いて情報量を調整することを優先すれば、シンプルでも説得力のあるラインへ成長します。
まずは身近なコード進行を一つ選び、ルートだけのライン、コードトーンを加えたライン、半音アプローチを加えたラインの三種類を録音し、それぞれの違いを耳で確かめるところから始めましょう。



